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USJの現場で学んだこと(外国人との仕事)


ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)での経験をお話いたします。
当時USJはアメリカのユニバーサルスタジオと大阪市がメインのスポンサーで、その下に日本のゼネコンが工事を請け負っていました。
ゼネコンの担当者からバッテリーパークの仕事が上手くいかないので、手伝ってほしいとの依頼で仕事を引き受けました。
アメリカのアートデレクターが気難しいので、仕事が前に進まないとのことでした。
日本側から提出した図面を一向に見てくれないので困っているということです。
それも、一瞥してNOだったらしく、けんもほろろだったのでした。
そこで、私はなんでかな?と思い、過去の図面をすべて取り寄せてみることにしました。
そうすると、3種類の図面が出てきましたが、どれも微妙に一貫性がないので、これは真か偽かと考えると、どれも偽ではないかと仮説しました。
そこで、現にアメリカの現物の写真を取り寄せて比較検討することにしました。
取り寄せてみると、どれも一部は真なのですが、総合的にはまとめられていませんでした。
写真と見比べて、情報を整理しましたらそれなりの図面が出来上がりました。
それを、先づ提出してみるとアートデレクターは「初めて見るべき図面が出てきた。」と仕事をしはじめました。
そうして出てきた図面は真っ赤になって戻ってきました。そこには「英語で訳せ!」と書いてありました。
提出前に私はゼネコン担当者に、「日本語は全て英語で訳して、日本語英語の併記で提出すべきだ」と主張しましたが、日本の担当者は「アメリカとの契約では提出する図面は全て日本語で提出し、英語で訳すのはアメリカの仕事になっている。」とのことでした。
「そりゃみろ!そうせんと勉強にもならへんやん。当たり前やん。」と思い、先ず日本語英語併記しました。
また、なぜこんなに真っ赤になって帰ってきたのかを考えてみました。ディテールのイメージに疑問を持ちました。
そこで、アメリカ人のアートデレクターに「これはいったいいつ頃の建物で、なぜ木造とスティールの混構造でできているのか?」と質問しました。
答えは、
20世紀前後の建物であること。
産業革命後であり鉄の加工もしくは鋳造技術ができ始めた。
という、情報を得たのでディテールが鮮明にイメージできました。
以上の情報で真っ赤は当時CADがもう使えましたので、なぞるだけOKという判断がつきました。
以上のことを踏まえて提出したら、「エクセレント!!!」で戻ってきました。
当然のことです。
私は外国人と仕事をするのが好きです。
海外で仕事をする人は選ばれてやってきた人なので、インテリジェンスがあります。
それと、何より仕事に対する情熱を感じます。
とにかく熱心です。
ですから、こちらもその情熱に肩の力入れずに答えていくだけで仕事はうまくいくと思います。
日本ではこうするとか、こうしなければならない、という制約条件がなくなりので、仕事がしやすかったです。
いつかまた、世界で自分の技術を披露するときを夢見ています。

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